八島有美「石の拳と呼ばれて」(後編)

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<ボクシングと空道:技術の違いについて>

--空道とそれ以外の格闘技の関係については、どう思われますか。私は柔道やムエタイに出稽古してみて、まあ世の中には実にいろいろな身体操作の体系があるもんだ、と痛感するんですが、空道の場合はそれらをさらに組み合わせたような総合武道なものですから、個別の格闘技との関係をどう考えるかが問題になりますよね。私は個人的には、打撃だけについても極真とボクシングとムエタイでは基礎から異なる技術だと思うんですよ。同じくパンチを打つといっても、技術はは必ずしも連続していない。
大道塾の伝統的な考え方だと、打撃にかんしては基本ルールでは顔を殴らず胸を叩いて、そのうちに四級から顔面パンチに進みますよね。そこには技術として連続しているという仮定があると思うんですよ。胸を叩く拳をもうちょっと高く挙げて顔を叩くんだと。八島さんの場合は、極真ルールから空道で顔面パンチを体験して、それからボクシングに進まれたんですが、そのあたりはどう解釈しているの?

八島:うーん、全然違いますよね。

--空道とボクシングではどこが一番違いますか?技術的には。

八島:やっぱり間合いも違うし、動き方、フットワークとか。狙うところも、なんかアバウトな感じじゃなくて、やっぱりテンプルとか急所をピンポイントで。パンチの多彩さ、角度とか、それも微妙な角度ですよね、まっすぐとフックだけじゃなくその中間の形のとか、それにフェイントと、リズムと。全然違います。
まあ空道で顔面ルールになる四級に上がって結構みんなが言うのは、私もそう思ったんですけど、顔殴られるって日常生活じゃないんで、すごく何か屈辱的というか。胴を殴られてもそんなに感じなかったんですけどね。

--たしかに極真ルールってスパーしているときの感情が結構柔道に近いんだよね。やられてもそんなに不快感はないから。

八島:そうですよね、別にこんなとこ殴られてもいいやーって感じなんですけど、顔を殴られるっていうのは結構屈辱的で…まあ何ともいえないですねぇ…初めて殴られて。で、ボクシング習おうと思ったんですけど。

--ちなみにボクシングは顔を殴り続けますよね。空道なら蹴ったり組み付いたりしている時間があります。殴りに集中することについてはどう思うの?顔が腫れたりするでしょ、女性としていやじゃないですか。

八島:それはもう全然。もうスポーツとしてっていう感覚なんで。

--女子プロボクシングが八島さんたちを中心に旗揚げして、普通のファンが最初に感じたのは、女の子が顔を殴るのって大変なことじゃないか、とんでもないことだということでしょう。実際事故だってあるしね。あのテクニシャンの飯村さんですら鼻を折られたっていうじゃない?もっとも、あればプロボクシング経験のせいじゃなくて長田さんにマスでやられたという説があります(笑)。ともかく、顔が傷つくって嫌じゃない?

八島:それは考えないですね。

--八島さん鼻が折れたことはないの?

八島:折れたことはないですね。折ったことは何度かありますけど。

--あちゃー、ひどい人だね(笑)じゃ、もし折られたらどうしますか?

八島:折れたら…どうなんでしょ。今治せるんじゃないですか?

--治せるでしょうけどねえ…

八島:じゃ別に考えないですね。

--治せればいいんだ。

八島:治せちゃえば。

--じゃあ顔が傷つくことは、ボクシングやる上では全然障害にはならなかったと。

八島:うん、別に、全然。大丈夫でした。逆に、もう男の人が自慢するような名誉の負傷みたいな感覚でした。

<試合での事故について>

--最後の試合では、他に何か思い出ってありますか?

八島:最後の試合…うーん。

--もうおぼえてない?

八島:いや、覚えてます。全部。

--それは後で思い出したんですか。その時からずっと継続して覚えてるんですか。

八島:記憶は全然、全部ありますね。途絶えるっていうことはない。結局、まあ最後のパンチなんですよ。ゴング直後のパンチだったんで。

--え、終わった後にもらったパンチで頭部に内出血したの?

八島:そうですね

--えー!ひどい話だね。連打じゃなかったんだ。相手の選手は異常なほどのスタミナで連打するので有名だよね。ガードしててもその上からたくさん殴られて、累積して効いたとかいうことかと思っていました。

八島:もう最後、10ラウンド終わって、まあさっき話したWARSと同じ甘さなんですけど、10ラウンド目が終わってゴングが鳴って、だいたい、まあお疲れさまっていう感じになるんですよ。もうそういう意識だから「ああゴング鳴った、終わった」って、そういう時にパンチが来たんですよ。普段はパンチをもらっても、力が入ってるし、しっかりしてるんですけど。

--ふーと息を抜いて、顎が上がったり、力が抜けたりしたんだ。

八島:力が抜けたところに来たんで。すごく反省してるし、後悔もしてるんですが。

--もらったのは怪我した箇所?

八島:(指さして)このへんですかねえ。耳の…上あたり。そん時にもう分かったんで、カーっとこの辺が熱くなるっていうか・・

--意識はあったんだ。

八島:はい。一瞬なんかクラっと来たんですけど、倒れないで。意識はありました。でも何か熱い、今のやばかったかも…と

--うわー、怪我の感覚がリアルですね。やっぱり首の構えは重要だよねえ。
藤松君も頭蓋骨を骨折して、出血したじゃないですか。あれはどつきあいの稽古を毎日のように続けたための疲労骨折なんだろう、っていうのが彼の見立てだったんで、同じようなタイプの怪我なのかなと思ってたんだけど。相手の選手って、ものすごく手数が多くて、「いや倒れ」って感じでKOしますよね。だから一発が効いたんじゃないんだと思っていました。
八島:そうですね。私も打たれ強い方だと思ってたんですけど、今まで一度もダウンしたこともないし。(その試合でも)ボディ以外はあんまり効いたっていうのもあまりもらってもなかったんで。最後、こう(と構えのポーズ)頑張ってれば、もしくはガードしてなくても例えば「来る」っていう意識があれば大丈夫だったと思うんですよ。もう「来る」っていう意識もなくて、「終わったー」って力を抜いちゃったんでだめだったんだと思います。

--あの相手とは、あの後は会話交わしたんですか

八島:交わしてないです。

--うーん。試合後も敵意むき出しの発言してるみたいだよ。

八島:いつも言ってますね。

--普通、ああいうことになると、普通はやった方がショック受けたりするじゃない?

八島:どうなんでしょう?プライベートでは交流のない選手ですし、情報もないのであんまり良く分かりませんが・・・。まぁスポーツなので相手に対しては全然悪意とかは持っていません。でもひとつだけイヤだったことがあって・・・。私はあの手術の後、ずっと隠してて、いつ引退するっていうのも言わなかったんですよ。タイミングを見て引退発表っていうことを考えてたんですけど、その前に向こうの会長とかが「八島を引退に追い込んだ」とか言ったんで、話が拡がってしまったんです。
(注)この相手選手は2006年2月にひき逃げをした疑いを持たれており、5月17日に上尾署に逮捕された。

 

<日本の医療に希望したいこと>

--手術については希望というか、仰りたいことがあるそうですね。

八島:そうです。でもまず大前提として奇跡的に命が助かって、障害も何も残らなかったということを心から感謝しているということを言っておきたいです。

周りの方々や病院の対応も迅速だったし、手術をして下さった先生の腕もよかった。私と同じ事故で亡くなる方や障害を抱える方も多いと聞くので、こんなことを言うと贅沢だと思われるかもしてないのですが・・・。でもまぁ元気になってしまった今だから思うことなんです。日本の医療っていうのは、リハビリにしても歩けて字が書けて、日常生活に戻せばOKっていう意識があるみたいなんです。それがなんかアメリカだとボクサーが手術したら、ボクサーとしてリングに帰してあげることまでを考えてくれるそうで。アメリカには頭蓋骨を補強する手術方法っていうのが20年前からあるそうなんですね。

--要するに常人に戻すんじゃなくて、ボクサーなんだからあくまでボクサーとして治してほしかったと。もしくは、そのための手術があるんだったら、その情報だけでも知りたかったと。それは頭蓋骨に何かをはめ込むんですよね。

八島:セラミックを入れます。頭蓋骨って、切り取ると普通の骨折と違ってつかないんですよ、骨が。ここに隙間が空いちゃうんで、日本ではほんと、はずした部分をもう乗っけてるだけ、切り取ってそこを乗っけるだけなんで、ちょっとした衝撃でもまた陥没しちゃう。それをちゃんとセラミックを埋めてあげて。まあ下手したら前よりも強くなるらしいです。
そうした方法が20年前からあるっていうのに、いま私が日本でどの先生に「どうにかしてスパーリング出来ないんですか」って聞いても「無理だ」って言われちゃう。

--カムバックするのか、スパーできるまでになりたいかはともかく、せめて手術方法があるという情報くらいは整備してほしいと。

八島:事故直後に手術してれば、間違いなく復帰できてたと思うんですよ。だけどもう2年くらい経っちゃったので、試合っていうとちょっとわからないにしても、スパーリングが一生出来ないっていうのだけはなんとか避けたかったです。せっかく今までやってきて。
だから手術はそのうちやりたいとは思ってるんです。日本でやれば何十万で済むんですけど、アメリカ行くと保険がきかないんで、200万くらいかかるってことを言われて、それでちょっと迷ってます。

--すごいなあ。もう1回開頭してもかまわないと思ってるんだ。

八島:思いますね。

--うーんすごいなー(絶句)

八島:もう人造人間状態で(笑)

--まあね、今日ちょっとスパーリングさせていただきましたけど、僕の方は当てないで。でもこうして軽くやってみたら、エスカレートしてしまう恐れはないですか?それともとりあえず当面はこれでも楽しいなっていう感じかな?

八島:まあ…ちょっと、楽しい、楽しいですけど。やっぱりちょっとお互い結構当たるとヒートアップするじゃないですか。今日もちょっと当たったらパンチを返されて。

--やばいなー、誰ですか!あれだけ攻撃は禁止って言ったのに・・・

八島:大丈夫です(笑)やっぱそれはしょうがないですよね。お互いやってるうちにそうなっちゃうんで。

--まあ、さわりだけですけど、やってよかったですか?

八島:あー!よかったです。

--じゃあ今後っていうか人生においてっていうか、空道なりボクシングっていうのはもう一生手放せないものになっているということですか。

八島:はい。

--そういう気持ちはボクシングについての方が強いの?

八島:うーん、どうでしょう。両方続けては行きたいです。

--稽古だけじゃなくて、トレーナーとしても続けたいと。

八島:はい、まあトレーナーもやって、ある程度は教えられるんですけど、やっぱりスパーリングをやらないと限界がありますね。だからそんな大それたことができるかどうかはわかんないですけど、日本でまたこういうケースの選手が、(頭部を負傷して開頭手術をした)赤井英和さんとみたいに出てくるかもしれないんで。総合でもその可能性はありますし。日本の医療は技術的には十分可能なのに、それをやろうっていう意識がないですから。もうほんとに「命があるだけでもありがたく思え」ぐらいの感じなんで。だからみんなスポーツ選手はあっち(アメリカ)で手術しちゃうんです。それを何とかしたい。

--そういう声を上げたいと。

八島:そうですね。第一号にでもなれば、と。

<仕事について>

--今、生活はトレーナーで賄っているんですか。

八島:そうです。

--トレーナーとして何か方針はあるんですか?

八島:やっぱりどっちかっていうと自分に近いタイプにしたいですよね。アウトボクシングで。さっきパンチをよけられなかっったって言いましたけど、ちゃんとよけられるように。防御が一番大事なんで。みんな打つことばっかりやりがちなんですけど、ほんとはディフェンスをきっちりして、打つことは第二なんですよ。

--ボクシングの南米スタイルってほとんど防御でしょ?

八島:そうですね。でもトレーナーは難しいですね。今いろいろ、ケビン山崎さんとかが「これがいい!」とか言ったらいっせいにみんなそれをやろうとするし。この方法がいい、この食べ物がいいとか、聞いてたら誰が正しいかきりがないので。

--ちょっと前と正反対のこと言うもんね。

八島:それはまあ自分で自分のやり方に合うのを選択して、あと私は根性論もわりと好きなので、それも交えて。でも、ほんとにいろいろ言う人がいて「そんな練習しても意味がないよ。○○大学の研究でこういうデータが出てるからね」とかやたら数値とかを言われるんですが、まあそのデータは置いといて、一応根性論もあるっていうか。でもやってきた自分の体験としては、それは意味があるっていう実感があるんで。いくら科学的に違うよって言われても、やっぱやってきた人間じゃないと分からないことってあると思う。

--「科学的に」って実は言葉の使い方が間違ってるんだよね。科学っていうのは自分の理論についてあくまで「仮説」だと認識してるという態度を指す言葉なんですよ。それなのに、特定の考え方を真理みたいに考えて「科学的に違う」っていうのは自分が言っていることだけしか信じないってことだから、科学的じゃないね。現にある現象が起きていたら、それが特定の理論からずれていようといまいと、それに合わせて仮説を変える勇気があるのが科学ですよ、本来の。

八島:でも結構そういう細かい数字を挙げて、「33分」とか「何.何%で」とか言われると・・・

--道具や数字を使ったら科学だと思ってるんじゃない?それは科学以前の迷信だな。科学的じゃない、非科学的な考え方だよ。現実に実感する人がいるんだったら、そこから出発しなきゃ。で、アウトボクシングで、と。防御ってどういうタイプの防御なの?

八島:ちゃんとしっかり相手のパンチに反応できるような訓練をして、パリーでもボディワークでもフットワークでも何でもできるようにしたいですね。

--僕の理解では、空道の防御っていうと組むことを別にすれば、基本的には頭振るのとパリー・ガード系の防御と、ステップワークの距離感、その3つがあるんじゃないかと思うんです。だいたいそれでいいのかな?

八島:そうですね。ボクシングでいうとやるとあんまり褒められないですけど、早くクリンチで相手を押さえつけちゃうのもあります。空道でも押さえつけちゃうのもありかなあ。

--あと空道は蹴りがあるから、蹴りでパンチを防御するってのもあると思うんですけどね。

<人生>

--これから人生上でやっていきたいこととか目標とかなんかありますか。

八島:私生活で?ボクシングは…こりごりじゃないです。もう1回やりたいなあ。1回でいいから。

--子供をつくりたいとかはないの?女性として。

八島:あー、まあチャンスがあれば…。亀田兄弟みたいに(笑)

--ああいうゴンタな顔したのを4人くらい生んで(笑)普通女の子って「恋がしたーい!」とか言うじゃない。そういうのは気分って別にないの?

八島:今まであんまりいい思いをしてきてないんで・・・ちょっと諦めモードに入ってます。

--八島さんがそんなこと言ったら、立候補者がわんさか出てきちゃうよ。でも、ご当人があんまり関心がなさそうですね。じゃあ、ボクシングを足がかりにして芸能界へとかいう方向は?渡嘉敷会長もそうですよね。その辺の関心は?

八島:まあ、ちょっと舞台とか前からやってきたんで、気に入ったのがあればですけど。

--この間舞台やられましたよね。なんか、アングラのような、八島さんの私生活ドキュメンタリーのような、で面白かったです。あれはどういう繋がりだったんですか?

八島:あれはなんかちょっと昔の知り合いでたまたまなんかで再会して、じゃあこういう話でやろうかって。

--でもお母さん怒らないの?結構、批判的にとらえてましたよね。大怪我したのに冷たい、みたいな。

八島:もう全然、ノータッチで。今までもライターの松本幸代さんとかが雑誌にさんざん書いてますし、お母さんとの関係は。

--もう構わないんだ。

八島:構わないですね。しょうがないですね。

--じゃ、この間のお芝居の成果はどうだったですか。得るものはありましたか。反省も含めて。

八島:反省も、得るものもいろいろあって。個人競技でやってきたんで、団体は難しいですね。

--人間関係が大変だったの?

八島:中にはやる気ない人とかもいたりして。個人競技だともう試合2ヶ月前とかだと自分でやればいいんですけど、全然やらない人もいるから。

--そういうところは演劇もいまいちってこと?

八島:なんか、はがゆいっていうか…。自分ひとりだったら出来るのにって。こういう言い方するとなんか凄い我がままなヤツみたいですけど、団体でやるものってやっぱり個人個人の温度差が激しくて・・・。個人競技だと勝っても負けても自分の責任ですからねぇ。その辺はちょっと今までと勝手が違って戸惑いました。勿論個人競技では味わえないこともたくさんあって、大勢で作り上げる楽しさとかチームプレイみたいなのは経験出来てよかったです。

--なるほど。じゃああそこのグループを今後何とかするというよりも、むしろひとりでやりたいなと思っちゃったってことですか。

八島:そうですね。まああれは1回限りのメンバーなんで。

--他なにか生活で変わったことはない?

八島:全然関係ないですけど、大きいバイクを売ってしまったので、バイクがまた欲しいかな。

--バイク命なんだよね。テレビの特番でも見ましたよ。怪我する前だったかな。

八島:やっぱり一時止められてたんで。すぐに売っちゃいました。めったにないんですけど、(開頭手術をしたことで)意識を突然なくすことがあるから、運転してて意識なくなったら周りの人も巻き込んで交通事故になっちゃうんで、運転はやめてきました。

--へえ。手術後に意識が飛ぶことがあったんですか?

八島:いえ、意識が飛んだこと1回もないんですよ。1回もないんですけど、危険性が普通の人に比べてあるんで、止められてたんです。でももう2年近く経って1回もないんで、まあ大丈夫だろうと思って。

--バイクでどこへでも行ってたんだよね。

八島:結構どこでも。ナナハンで行ってましたねー

<女子部に>

--大道塾の女子部に何か期待することはありますか。もしくはアドバイスを。

八島:んー、今ちょっとどういう…どの程度なのかがわからないんですけど、やっぱりみんななんか基礎体力が割と弱いかなーと。

--うーん。八島さんから見るとそうなのかなあ。基礎体力が弱いのは事実なんだろうけれども、すそ野が広がって基礎体力がない人も体力維持や護身のために入ってくるようになったんじゃないかな。

八島:でも、一線の選手にしても全然走れなかったり、力がなかったりするんですよ。

--ああ、一般の選手にかんして、体力が落ちているという指摘ですか。

八島:だからまあ、道場の稽古以外にウェイトやったりとかちょっと走ったり、スクワットでもいいし、基礎体力をつけるための地道な練習が必要なんじゃないかと。足腰も割と弱い感じがするんで。一般の人はいいんですよ。でも、試合出るっていう人は別。

--八島さんから見ると、世界大会出た女子も基本的に地力が不足しているということですね。

八島:そうです。

--そういえば、ロシア人は基礎体力あったねえ。

八島:ロシア人はありましたねー。みんなOLさんだったり仕事あったりすると、男子と同じくあまり出来ないのかもしれないけど・・・

--でも、世界大会に出る以上、そういった相手と闘わなきゃいけないからね。

八島:そうですね。

--加藤さんや飯村さんとかの考えだと、選手が毎日道場に来るのが当たり前。プロはそうしてるんだし。大道塾はアマだけど、毎日稽古するのが当たり前という意識で、道場に行けない日も何かの自主トレをしないと一線ではやっていけないでしょうね。実際、90年代前半くらいまではプロにも勝って当たり前って雰囲気で稽古が行われていました。プロで練習してきた八島さんから見てると歯がゆいのかな。

八島:仕事って言われると何にも言えないですけど。例えば毎日来れないにしても朝とか走ったり、うちでなにかシャドウしたり、代わりのことが出来たらいいですよ。

--世界大会出る以上は、空道漬けになって欲しいということですね。

八島:毎日ジムワークや道場稽古をする必要はないと思うので、何曜と何曜は対人練習とか、ミットとか、来れない時間はうちで簡単なのでいいんですよ。鉄アレイでもバランスボールでも、いろんな部位を鍛える方法はいくらでもあるんで。筋トレとか有酸素運動とか、自宅でも十分出来るんで。女子も代表選手だったらやるべきですよね。

--まだちょっと世界大会に出るレベルとしては意識が足りないと。女子部の先輩としては。

八島:なんか結構男子とその辺が差があるなあと。毎日やるっていう意識が。実力っていうよりも意識ですよね。

(ギャラリー1):八島先輩はボクシングのチャンピオンになられて、私は外から雑誌とかメディア見てて、「大道塾は一応上がりなんだな」と思ってたんです。また大道塾に戻られるということで嬉しいです。

--いや、八島さんはプロになってもずっと会場には来てくれてたよ。大道塾をやめるとかいう意識とは少し違うんじゃない?僕は逆に、他流のプロなのによく大道塾の名前を出してくれるなあって思ってたけど。

八島:でも試合が好きだったんですよ。もっと定期的に、3ヶ月に一度とかどこでもいいから試合したいっていうのがあって。大道塾は試合が少ないんで。で、1回怪我で抜けたりすると、1年に1回とかになっちゃいますから。

--おそらく本気で試合をしたい人なら3ヶ月に1回ぐらいないとコンディションも整わないし、稽古してても目標がなくなっちゃうからやる気なくなっちゃうもんね。

八島:割と試合までの過程が好きだったんで。3ヶ月周期で。試合の3ヶ月前にはどうして、2ヶ月前にはこうしてって…
(ギャラリー1):3ヶ月に1回だと1年中試合ですよね。

八島:そうですね。でも休養も練習なんで。休むときはしっかり休んで。

(ギャラリー1):それはキックのチャンピオンも言ってて。「試合がないのになんで練習できるんですか」って言われたことがあるんですよ。

--武道とは発想が逆なんだよね。僕、ずっとコンスタントに道場稽古してるけど、そんな風には思わないもんな。

(ギャラリー1):そういうことなのかなあ。でも八島先輩はボクシングに行くっていうことは、もう武道に見切りをつけた、という風に周りから見えてたんですよ。それがばりばりの武道感覚のビジネスマンクラスの稽古に参加していただくって、かなり心境の変化があったのかなって。

八島:いやいやそんなことは…。ずっと来たかったんですけど、時間的な問題とかあったし、実際に事故があってから大道塾って1回も来たことがなかったんで。きっかけを、いつどのクラスに出ようかーみたいな。女の子の素面を平気で殴るクラスはやだなーとか(笑)

(ギャラリー1)ビジネスマンクラスは女子も必ず参加してるんで。毎回、3名前後出てるんです。

(ギャラリー2):最近ですよね。ここ1年、2年。

--不思議なんだけど、ずっと0はないんだよ。4,5年、ずっと1人の状態が続いていて、1人辞めて、また1人入って、と。延べにして4、5人はいたんですけど、なぜか重ならなかった。女の子同士、仲が悪かったのかしら?ひよこ組ができてから、複数で来てもらえるようになったんで。

(ギャラリー1):八島先輩が2ヶ月に1回でも3ヶ月に1回でも顔出してくれるっていうのは、女子のビジネスマンクラスにとってはすごい励みになるんで。

--一号にはすまないが、今日、八島さんに稽古をつけてもらって、左ボディで倒れたのは見てて面白かったな(笑)

一同:(笑)

(ギャラリー2):だから途中からやんなくなったんですか?

--いや腰が痛くなっただけらしいよ。稽古しすぎかな?

(ギャラリー1):いや、でも1号はやっぱし、今日は八島先輩だから引いてたんだと思うんですけど、普段はまあ、もうちょっと強いかな…また稽古つけてあげてください。

八島:はい(笑)

55

--今日は八島さんも攻撃したからね。普段、男性は黒帯だけがスパーの相手をして、ほとんど攻撃しないんですよ。女の子同士じゃないとお互い攻撃できないじゃないですか。そのあたりのスパーの稽古法は、まだまだ模索中です。選手だったらガンガンやらせるんだけどね。

(ギャラリー1):というか、攻撃を受けたことがない。

--受けること自体が初めてなんで、ボディを殴られたことないから。

八島:ちょっと…、なんか、あれ1号でしたっけ。効いてたんですか。

(ギャラリー1):八島先輩もかるーくやって「うっ」ってなるから「ええっ」て思ったでしょうけど。でも1号は普段はもっと全然強いですよ。

--腹打ちとかやらせてないからね。女の子たちにもやりたいか聞いているところなんだけど。

八島:胴プロテクターはつけてても効くんですか?

--逆らしいよ。付けたら力が全体に分散するから、付けたことのある人に言わせると付けてる方が効くって。むしろ外した方がポイントしか効かないってことじゃないかな。もちろんレバーに入っちゃったら効くんだろうけど。

(ギャラリー1):でも2号、5号は最近、腹打ちやってますから、多分大丈夫。1号は吉祥寺支部に移籍したんで。

八島:え、やらないんですか?

(ギャラリー1):そうですね。2号以降は私が腹打ちとかやってますから

--え、1号だってビジネスマンクラスではやってるでしょ?

(ギャラリー1):いやもちろん指導には従ってますよ。でも最近1号全然来てないですね。

--そりゃそうだ。だって有給使い切ったらしいからな。週6の勢いで稽古してるけど吉祥寺では最初から顔面対応だから腹打ちはやらないしね。といって、女子相手に僕らじゃ殴ることは出来ないし。

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(ギャラリー1):やっぱり女子の先輩から「ばーん」てやられて、「うっ」ってなってもらいたいなって。すっごい大事ですよね。

(ギャラリー2):男同士だと当たり前だけどね。

--ともかく八島さんにはちょくちょく遊びに来ていただきましょう。僕らも勉強になることが多いですからね。今日は長い時間、どうもありがとうございました。

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