清水和磨「ラスト・サムライ in 空道」(その4)

清水:連続組み手も成立しないですからね。自分は連続組み手の1人目を昇段を目指してる者同士にやらせるっていうのはちょっとまずいと思います。だって、どっちか負けちゃう訳じゃないですか。確実に。あれはちょっと・・・まあ人数少ないからしょうがないんですが。

–:当日は黒帯がたくさん見に来てるんで、相手してもらったらどうなんだろ?何人抜いたとかじゃなくて、レベルを見るという審査にして。

清水:何点取るかでやると、すごく簡単に取れるやつと、メンバーがめちゃくちゃでこんなんとれっこないよっていう場合もあるじゃないですか。逆に、「こんなんでいいの?もう1回やった方がいいんじゃないの」とか。今は同級でもレベルが極端で一定じゃないんですよね

–:渡辺慎二支部長は面白い人で、支部で緑帯までは毎回結果を出してるし、世界チャンピオンだって出してる。どうやら支部内で教則ビデオ作ったりして自分の教え方を伝えてるみたいなんだよね。

清水:それは見てみたいなと思いますね。

–:総合なんだから、一回ですべては教えられないんで。

清水;あれはたまたま素質のあるやつが集まったっていう状況じゃないですよね。あの結果の出方は。絶対何かあるはずなんですよ。

–:教え方がうまいんだろうね。ずっと好奇心を持続されてるし。首相撲とかも、まだほとんど技術が共有されてないでしょ。いまだにどうやって曲げるとかそんなレベルだし。

清水:首相撲はでも自分の時は散々やってましたね。当たり前のセットでした。

–:分かっている人は、廻して崩すとか、膝を入れて蹴られるのを防ぐとか肩をすくめてロックをはずすとかやってるけど。

清水:時間が足りなくて無理ですよね。一番コンスタントに来てる選手で…週に3か4かってところですから。でもそいつもどんくらいかっていったら定時やるだけなんですよね。基本やって2時間やるだけじゃ試合に出るとなったら足りないんですよ。時間がないっていうんですけど、時間ないって…確かに忙しい人もいると思うんですよ。でも森先輩とかって9時とか10時に来てやってましたからね。30分、1時間でも。

–:1日に1回やると全然違うよね。

清水:そうですね。そこまでの覚悟がなくて、簡単に時間がないとかって言うのは良くないと思いますね。ない訳はないと思うんですよ。それで「北斗旗は出たい」なんて成立しないです。

–:飯村さんの支部は、今は11時近くまで開けてるでしょ。自分がいなかったら鍵を渡してるし。選手が社会人だからこそ、いつ来ても構わないってシステムにしてあるんで、もう最短時間でミットで息上げちゃうからね。飯村さんミットを全員に対して持つじゃない。社会人でも選手なら週6、5来れるように。寝技やんないのもある意味徹底してる。要するに組まなきゃいいって発想だから。

清水:自分もそれでいいと思いますよ。色々なスタイルがぶつかった方が盛り上がるし・・・ただ凄い強い選手が、組みで簡単に終わっちゃったりするんでもったいない気もします。

–:ミドル蹴ってつかまれても投げられないし、絶対倒されないっていう、そのための練習をやってる。総合も最近はそうなってるじゃない。絶対倒されないようにミドル蹴るわけだから。あれも研究次第だと思うんだよね。それが本部にいまいち伝わっていないな。

清水:そりゃそうですよね。本部の指導員が一人も残っていないですから。

–:だから僕は、1人は常駐していないと無理だと思う。ずっとそう希望を出してるんだけど、ダメだった。まあ、事情はあるでしょうけど。で、基本やって移動やってみんなさっさと帰るシステムになっちゃった。もう取り返しがつかないのかな・・。

Posted by 佐藤@那覇道場