第33話:再起動!

門間理良の黒帯への階段

 2007年12月末の審査で奇跡的に緑帯を頂いた私は、翌2008年の1月こそなんとか5回道場に通ったのだが、1月31日の稽古で肋骨にヒビが入るというアクシデント見舞われ、2月は台湾に研究のため調査旅行をしていたこと、さらに数々の原稿の締め切りも立て込んでいたこともあり、1回も道場に行けなかった。

 こんな事態は再入門以来初めてであった。3月も相変わらず研究のために台湾に行っていたために、稽古回数は3回にとどまっていた。

 3月には昇級審査もあったのだが、やはり台湾に行っていたので受けることはできなかった。これまで、機会があれば審査は受けるという方針だったのが、初めて崩れてしまったのは残念だった。

 もっとも、稽古不足であったことも事実だから、仮に受けられても保留という可能性は十分にあったろう。

 さて、稽古量は4月5回、5月6回と徐々にペースを取り戻していくことになる。

 これは若干の状況の変化による。新学年から土曜日の午前・午後に明治大学と拓殖大学大学院で講義を入れるようになったのだ。茗荷谷の校舎で行われるゼミが15時55分に終わるので、丸の内線で道場に駆けつけられるようになった。

 学会やその他の事情もあるから、いつでも出られるというものでもないが、それでも土曜日に総本部に通う回数は去年より確実に増えた。家族には不満をこぼされるのだが、ビジネスマンクラスにそこそこ出られるようになったわけである。

 ビジネスマンクラスは最初から最後まで出ると3時間近くになるが、中身が濃いのでおもしろいし、19時前に終わってから2階に移ってからの自主トレ(グローブスパーや寝技)もなかなか楽しいのだ。それから、さくらでの飲みも、もちろんそうである。

 また、最近は平日の昼間に道場に行くこともあった。このところ日曜日に会議が入ることが少なからずあったのだが、うちの会社は予算が少ないので、休日出勤の金は払えん! 振替休日を平日に取れ、ということになっている。私はこれを何度か空道のために使ったのだ。

 1日の振替休日は4時間ずつ2回に分けてとることが可能なので、水曜午後と金曜午前に休暇をとって、空道の稽古に出た。

 水曜日は16時からの鈴村先輩のクラスが目当てだ。組技・寝技とスパーリングが充実したクラスである。鈴村先輩は松原先輩に負けず劣らずの「マニア」なので、詳しく理論的に教えてくれるし、笑いもとってくれる。サービス精神が旺盛だ。私はそこが気に入っている。

 金曜日は専修大学での朝1の講義のあとに駆け付けている。ちなみにこの金曜1部を指導される南城先輩は専修大学のご出身。

「なんだやあ、俺の後輩を教えてんのがあ」と大笑いされていた。

 この時間はほぼ自主トレ状態だ。それはそれでかまわない。

 サンドバッグ、前後左右ステップ、シャドウ、重りをもってのパンチ練習、腹筋、スパーリングなどをやっている。僭越ながら、この私が白帯の人を教えたりすることもある。

 こうは書いてみたものの、こんなことは、やれてもひと月にせいぜい3、4回だ。やっぱり勤め人は退勤後に稽古というのが本道だろう。

 私も本来は火曜日なり木曜日なりの3部にも出席すべきなのだが、平日夜は研究会:roll:や飲み会:pint: があることもあるし、毎晩遅いと家庭内で居場所がなくなってしまう。それはまずい。

 愛する者を守るはずの空道が、愛する者の憎悪の対象となっては元も子もない。

 でも、明日の木曜3部は行けそうなら行ってみようっと! 😀