「柔道の構造とコツ」講習会のお知らせ(延期):-o
投稿者:松原隆一郎@総本部
明日29日のビジネスマンクラス終了後に、東大柔道部監督である楠和久五段(医学部大学院生)が総本部に来られます。ご当人の希望は寝技の練習ですが、それ以外に楠氏一流の柔道にかんする講演をしていただこうと考えています。
柔道では崩しが重要と言われますが、実際に試合で崩すコツはほとんど説明がなされていません。楠氏は東大柔道部にてごく簡単にその原理を説明しておられます。
当日は三部の時間帯に二階で講演を行います。これはビデオ撮影もいたします。終了後、寝技スパーも行いますので、奮ってご参加下さい。
追記:以上のように書いた直後、楠氏から急病(医者の不養生)で明日は行けない旨、連絡がありました。二週間ほど延期します。
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延期になっていました、楠和久・東大柔道部監督による柔道講座を、次回11日の七時から二階で行います。奮ってご参加下さい。当日はビデオ撮影をいたします。
講演を行いました。
空道ではムエタイ式の首相撲と柔道の組みの二つの組み技がありえます。しかし柔道と空道の関係については、いまだ厳密には解明されておらず、研究の余地は相当にあります。
しかし柔道の技術には、実は大きな問題があります。柔道人口が20万人として、そのうち10%未満ほどしか運用の仕方を知らないのです。柔道部に属しても、ほんの一割ほどの学校でしか技の使い方を教えませんし、それを知らないといくら「背負い投げ」とか「大外刈り」とか本で読んだり習ったりしても、ぜんぜんかからないのです。18万人ほどの愛好家は、いまだに技の「使い方」を知らず、技をかけることができずにいます。しかもこの使い方は、活字にはなっていません。
「使い方」とは、「組み方」と「動かし方」です。それをせずにいくら技をかけようとしてもまったくかかりません。逆に言えば、全日本選手権などは、「組み方」と「動かし方」の闘いが九割くらいになっているので、みていてもほとんどの観客は何が行われているのか理解できていません。
今回は、「組み方」として、
・道衣の切り方→あまり空道には使えそうにない
・クロスグリップからの帯取り→小川スペシャルの応用として使える。ここから、「隅返し」「浮き技」へ移行。寝技に持ち込む。
・両手で襟をつかみ、体重をかけ上下に揺さぶりながら回り込んで相手を座り込ませる(真壁スペシャル)→十分に使える
・釣り手を深く首もしくは背中まで取って、組み勝つ→パンチの防御にもなるので使える
・支えつり込み足として、相手の曲がった肘(右)の関節部に左手のひらを当て、自分の膝(左)を相手膝(右)の内側に入れて、半身をロックして右回転して投げる
「動かし方」として、
・引き手の方向に回る。右組みなら時計回り。これによって相手と「T」字形のポジションになり、しかも相手は崩れているので、ここからは技(背負い・内股など)に入れる。
・隅返しも帯を取ったら引き手の方向に回ると相手はころがる。
・横巴も、この方向に回りつつ、動く方向の先の足を相手の腰内側に当て、横転させてニーオンザベリーにつく
といったことを習いました。
次回のビジネスマンクラスでは、この内容を整理して、指導してみたいと思っています。
楠監督、河野主将、どうもありがとうございました。