清水和磨「ラスト・サムライ in 空道」(その3)

2017年6月23日

 

清水和磨「ラスト・サムライ in 空道」(その3)

入門のころと格闘技体験

清水:さっきの話の続きですけど、自分は昔の挌闘空手からやってるわけじゃないですか。

–:えっと、入ったのは何年ですか?

清水:入ったのは96年ですね。その前にリングスで7ヶ月。

–:へえ。どんな待遇だったの?

清水:練習生ですから、稽古ばっかりですけど。ただ、凄かったのは、休日食事するのに一食当たり一万円までOKでした。もう、寿司やらステーキやらしょっちゅうだから、飽き飽きするくらいでした。

–:そりゃあ豪勢だなあ。

清水:自分は中学生からプロレスラーになる事しか考えてなかったんですよね。他の進路とか全く考えてなかったんんです。で、他人とかにさんざん馬鹿にされて合格して入って、で、まあ失望することとかあって(リングスを)やめて・・

–:試合に出る前に辞めちゃったの?

清水:試合は出てないです。

–:なるほど。まあ、失望の内容は聞かなくても分かる人には分かるでしょう。で、辞めてからその間は何やってたんですか?

清水:都庁の清掃、コンビニ、焼き鳥屋、DAT製造のラインとかバイトですね。

–:格闘技は?

清水:その間、ちょっと極真やりましたけど。半年くらい。試合も1回出ましたけど2回戦で負けました。

–:それで大道塾の本部に入って、いきなり寮生になったんだ。

清水:そうです。ちょうど市原先輩とホイスがやった頃なんですよね。確か。やっぱりもう1回やりたいなと思ってた頃で、なんかきっかけがなかったんですけど、市原先輩が行く時に直前のインタビューくらいで「やんなかったら逃げたと思ってください」って言ったんですよ。UFC出なかったら。であの頃ってめちゃめちゃなルールだったじゃないですか。髪掴んでいい、金的もあり。目つぶしくらいでしたっけ。

–:目つぶしと…あ、違う違う。噛み付きがだめで、目はついてよかったんだよ。噛み付きと耳引っ張るだけだ、反則は。僕、市原さんと渡米数ヶ月前に2人でここ(西新宿)歩いててさ、彼はどう先生を説得したらいいか、なんて話してたんだよね。

清水:その「やんなかった逃げたと思ってください」って言葉ですけど、何ヶ月か後に本当にやるってことになったんですよ。自分は信用してないんですよ、芸能人にしろ有名な人たちの言うことは。有言実行っていうか、言ったことをちゃんとやる人ってあまりいないし大部分は話題作りで言ったりじゃないですか。
その頃は実際に使えるかっていうのが自分にとって一番重要なところだったんで、やっぱり極真やってる時もなんか疑問だったし、柔道も正直疑問だったんですよ。もちろんルールという部分のみです。柔道とかトップってすごい強いじゃないですか。県大会のトップとかとやっただけでも強かったんで、それが全国とかメダリストとかになると・・・

–:柔道はいつやってたの?

清水:高校の時です。

–:どのくらいのレベルで?

清水:全然ですよ。県大会くらい

–:こないだの試合の出足払いはよかったよねえ。

清水:そうは言ってもやってはいましたからね。

–:相手のレベルが何であったとしても、あの出足払いは、相当うまくないとできないよ。
普通に柔道家に見せてもうまいって言うもん。あれはたいしたもんだと思いましたよ。じゃあ、それまでいろんなことをやったんだ。柔道もやったし極真もやったと。ところが実戦性には疑問があったところに大道塾の看板を背負って市原さんがバーリ・トゥードに出て行ったと。

清水:何をやっても違うと思っていたんで・・極真はジャブが当たる距離から始まるわけですよね。

ーー;まあおかしな距離ですよね。

清水:あと蹴りも何でこう、膝から上から撃ち落とすかっていうと、距離がそういう距離だからですよね。膝かかえないと当たらないんですよ。でも実際、それで実戦いけるかって言ったら、上から撃ち落とすような下段なんて、顔面じゃ使えないですから。だからそういうのも考えていくうちに、最初のWARSのビデオとか買ったりして、「ああこれが一番近いな」と思ったんですよね。
あっ、でも弱いって意味ではないです。乱闘みたいな感じだったら絶対強いし、茶帯でも凄いレベルでしたから。人格的にも素晴らしい方が多かったですし、高久昌義先輩は今でも尊敬してます。

–:あの方はすごく澄んだ瞳をしてるんだよね。八巻さんとご一緒させていただきましたよ。で、大道塾に入ったと。僕も清水君は高山さんのお宅でビジネスマンの懇親会でお会いしてるね。ではあの頃みたものってどういう光景でしたか?寮生として見てきたものは。

清水:あの頃はまだ本部に自分も含めて8人職員・寮生がいたんですよね。高松先輩、長谷川先輩、中山先輩、斎藤先輩、寺本先輩、野原先輩、加藤裕嗣先輩、今は人いないですよねえ。だから早い話が、道場生が来なくても練習になるんですよ。それだけいれば。あとやっぱりガチでしたね。あの頃は。

–:知ってる。だって稽古に言って泡吹いて倒れてるやつたくさんいたんだもの。

清水:そうですね。よく救急車来たりしましたもんね。今やったら絶対成立しないんでしょうけど、でも昔の大道塾ってあれなんですよ。そういうふるいにかけられて残ってるやつしかいなかったから当然強いに決まってるんですよ。そこに「どうやって強くなるか」っていう、話が加わって。もともと強くて才能のあるやつがやってるんですよ。今は逆に普通の人をどうやって強くさせるかってことじゃないですか。