頭を使って戦うことの重要性
2018年1月20日、総本部の階段を上っていくと、三階の道場からいつもの松原先輩とは違う声が聞こえてくる。。。
「あ”……、この声はまさか、、、」
松原先輩とともに前に立ってご指導していたのは、飯村先輩であった。
久々に行った稽古で飯村先輩のご尊顔を拝すという予想外の事態に遭遇した緊張から、足技の基本稽古の号令がずれてしまった情けない弐段は私です。。。
稽古の内容は相手の懐に入っていき縦肘をかますものや、フックを躱して組みつく方法、前蹴りで相手を制するコツ、蹴った時の相手の反応(受け方)でこちらの攻撃を組み立てる、などであった。
稽古の終わりに飯村先輩からは「頭を使って戦うべし」との講評を頂いた。
飯村先輩のこの時の教えは、「多様な戦術を身に着けておいて、相手のスタイルに応じた最も有効な戦術で相手を制すること」と私なりに理解した。
ただ、これは言うは易く行うは難しである。
審査や試合では頭に血が上り、戦う前に考えていた作戦を忘れてしまうことは塾生の多くが経験していることだろう。
焦燥感や恐怖、怒りに心を支配されると、普通はもうダメである。戦術の問題以前に戦場に立った時点で負けているようなものだ。
エシディシは大泣きし、ワムウは両眼を自ら潰して精神状態を切り替えた。
しかし、これを道場でやるとかなり引かれるのは間違いないから、お勧めできない。
私は試合に出ないタイプなので昇段審査に限った形で話を進めるが、
そのような状況に陥ることなく冷静に対処するためには、稽古を十分にして戦い方を体に叩き込んでおいて、ある程度の自信をつけておくことや、体力をつけておく必要がある。
例えば昇段審査における連続組手で体が動かなくなると、焦りが増して肉体的にも精神的にも思うように戦えなくなってしまうからだ。
事前に十分な準備を行って戦うための環境を整備し、できるだけ優位な状況を作り出しておくことが重要なのである。
もちろん試合にしても昇段審査にしても相手がいることだから、強さは相対的であり、残念ながら絶対的優位は保証されない。
しかし、その努力を放棄したら勝利する可能性は大きく減じられると私は考えている。
そこをおさえた上で、楽して(安全に)勝つための戦略がある。
昇段の基準(私は初段のときは6人組手、弐段のときは5人組手だった。次は4人である)を考えながら、どのようなスタイルで戦うのか、また、どのような体力配分で戦うのかを決定する。
その際考慮すべきは、加齢に伴う体力低下や反応の鈍さなどの要素だ。そこをカバーしながらどう戦うかも、戦略に組み込む必要があるだろう。
これまでの昇段審査における成功の経験は得難いものだが、成功体験を無批判に使い続けることは危険だ。
そして審査が始まったら、飯村先輩の教えを活かした頭を使った戦いをする(戦術を駆使する)となるわけである。
特に空道は打撃と投げ、寝技を使用する総合武道なので、頭を使う余地はかなり大きく、かつ重要だ。
2018年は頭と体をよく使って自分なりに強くなり、目に見える結果を残したいと考えている。
もちろん私は人間なので、
「勝てばよかろうなのだァァァァ!!」
というカーズ様のような割り切り方はできない。
格好良く結果を残したいと願っているのだが、果たして、、、、?
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