第21話:拓道会空手体験入門

門間理良の黒帯への階段

 長男(リオ、7歳)が空手に興味を抱いている。近くに空道の道場があればよいのだが、残念ながら、ない。小さいうちは歩いて通える道場がよいだろうとあたってみると、我が家の近所には、新極真空手の塚本道場、極真空手道場などがあった。

 いずれも会員諸氏はご存じのフルコン系である。今回はそれらではなく、一番距離的に近い(徒歩約3,4分)、長男が通う小学校で毎週金曜夜に開かれている空手教室(拓道会)をのぞいてみることにした。体験入門である。

 入門年齢には達していないが「はみ出し空手」志望の次男坊(エリカ、4歳)も連れての参加だ。

 2007年10月5日夕刻、時間通りに行ってみたが、体育館は真っ暗。おかしいなと思って学校近くをうろうろしていると、「拓道会」のネーム入り空手衣を着た子どもたちの姿が! 「きみたち、拓道会で稽古している子かなあ?」と聞いてみると、傍にいた今風の兄ちゃんがさっとでてきて、「連絡不行き届きで、体育館の開錠に手間取っています」とのこと。

 さらに伺ってみると、なんとこのOさんという大学生(兄ちゃんから昇格)が指導を受け持っているとの由。受けた感じはまさに優男(やさおとこ。しかもまあまあイケ面)で、体つきもかなりの痩せ型で格闘技をやっているようには見えなかった。見学希望である旨を伝えて了解をいただいた。

 結局、遅れること20分で体育館入り。準備体操を済ませ、稽古開始だ。

 稽古生は4人の小学生(おそらく2、3年生)で、体験入門も4人(我が家以外にも兄弟で参加あり)。

 この日の稽古メニューは、以下の通り。

(1)突き2種類
 前屈立ちでの前手、後手。最初の10回はゆっくり。2度目にやった10回ではできるだけ素早く。
 O先生(Oさんより昇格)は初めての子供たちにも丁寧に接してくれているので、わが子たちも委縮することなく参加している。

(2)蹴り
 片足立ちの姿勢での連続前蹴り。

(3)移動基本
 最初は脚(前屈立ち)のうごきだけ。その後、突きの動作を加えて行う。

 見ているだけではつまらないので、私も許可をいただいて参加させてもらうことに。前屈立ちの姿勢や前方への移動の際の脚の運び、180度方向転換の仕方は同じだったので、それほど戸惑わなかった。

(4)型の稽古(集団)

(5)型の稽古(個人)
 一人一人が型の動きをやって、気づいた点を子供同士で指摘しあい、その後先生のアドバイス。
 帯上の子供の動きは、さすがにきびきびしていて好感を覚えた。しかし、けっこう複雑な動きであり、私のようなおじさんには覚えられないのでは、と不安を抱かせるに十分なものがある。大道塾に型がなくて良かった!
 
 ここで少々ハプニング発生! 見学に来ていた他家庭の子供2人が型を見ながら、くすくすと笑いだしたのである。稽古生の子供たちは、「何で笑うんだよ!」とおかんむり。これは当然だ。

 うちの子はというと、しっかりと正座してまじめに見ていたのでホッとする。わが子が一緒に笑っていたら、間違いなく注意するところだが、たとえ他人の子供であっても、私が注意してあげればよかったと反省した。

(6)先生による型のお手本披露
 子供たちのリクエストで先生が型のお手本を見せてくれた。私はこの目で型を見るのは初めてなので、興味しんしんだった。既に気合や動きなどで、私の中では「兄ちゃん」から「先生」にあっという間に昇格していたOさんだが、ここで並々ならぬ実力の一端を披露してくださった。

 素早い体さばきや突き蹴り、裂帛の気合には目を見張るものがある。拓道会空手はいわゆる寸止めのためか、体つきはがっちりしているわけではないが、これだけスピードのある突き蹴りを繰り出してきたら、私のようなレベルでは避けるのも大変だろう。また、かなりの威力があるようにも思われた。

 O先生は小学生のころからずっと空手をやっているそうで、十数年のキャリアがあることになる。これだけの期間、どのような種類であれ1つの武道に精進しているのは凄いことだと敬服。

 私も空道を長く続けていきたいものだと改めて思った次第だ。

 先生の型稽古が終わると、子どもたちと見学のお母さん方からは、大きな拍手が起こった(もちろん私も)。

 そして正座、道場訓唱和、黙想で終わり。

 終了後、先生にお礼を申し上げつつ、その他の稽古内容を伺ったところ、組手の稽古などをするとの由。長男もけっこうやる気を見せていたので、次週にもう一度体験入門させてもらうこととなった。

 なお、拓道会のホームページは下記の通り。興味ある方は訪れてみてほしい。