第40話:武道を日本教育再建の柱とすべし!

門間理良の黒帯への階段

お盆のときに1年ぶりに仙台に帰った。高校の同窓会に出席するためである。

3次会で同期が集まって飲んでいた(結局私は高澤らと4次会まで飲んでいたが)のだが、そのとき隣り合った友人(東北大学工学部教授)と、教育の話になった。

東北大学でも学生の学力低下が見られるそうで、

「日本のような国は、今後これまで以上に優れた人材を輩出していかなければ世界で生き残れないぞ」

などという研究者同士にありがちな結論に達したのだが、面白かったのは友人が打開策として武道の効用を熱心に説いたことであった。

私の記憶するところでは、彼自身が武道に親しんできたわけではないはずだが、

「単純に学習量を増やせばいいというものじゃない!」、
「黙って席に座り、先生の言うことに耳を傾けられる子どもを育成しなければならない!」、
「そういう子どもを育てるには武道をしっかりとやらせるべきだ!」

と熱弁を振るっているではないか。

よくよく聞いてみると、彼の子どもを通わせている小学校でも、最近話題の学級崩壊のような事例が見られるという。

だが、わが子はちゃんと席に座って先生の話を聞いている。
これは、子どもの頭の良さとか悪さという次元の話ではなく、少林寺拳法をやらせているから、
落ち着いて年長者の話を聞くという態度が養われたのだと思う、と確信的に述べていた。

武道教育の効用として「落ち着いた態度が身につく」などは強調されているところであり、それには私も激しく同意しつつ、

「こういう話は文科省の役人が内部から言ってもなかなか難しいから、社会的地位のあるお前が言え」

と勧めたのだが、

「工学部の人間には(教育論を)語る場所がない」

とのことだった。

武道をたしなんでいる我々とすれば、どうしたもんでしょうかねえ、皆さん!