第24話:洞窟探検中の事故
最近、心を痛めている事故のニュースがある。
高知大学探検部員が、洞窟探検で行方不明になったのである。
どうやら地底湖で泳いでいる間に、何らかの理由でおぼれたらしい。途中にはケイブダイビング用の装備も持ち込めないような狭いところもあるし、水深は30mとのこと。沈んだら見つかるまい。捜索もすでに打ち切られた。
ケイブダイビングは、一説には世界でもっとも危険なスポーツとされている。第二次遭難の危険を冒すことはできない。
水温は低いだろうから、遺体はなかなか腐らず腐敗にともなうガスも発生しない。浮き上がってくるかどうか。
魚や蝦がいれば、食べられることになろう。
洞窟のことはよくわかっている(第13話参照)だけに、状況が容易に想像できる…。辛い話だ。
報道ではご両親が地元警察に「安全管理はどうなっているのか!」と詰め寄ったらしい。気持ちはわかる。突然のことにやりきれないのだろう。
だが、これは違うと思う。探検する奴は、そういうところだから足を踏み入れたくなる、どうしようもない連中なのだ。
もちろん、単なる無謀とも違う。装備も整え、訓練も行い、細心の注意払って行動する。それでも、まれに事故はおきるのだ。
なお、日本において探検部員による洞窟探検中に死亡事故がおきることは滅多にないことを最後に申し添えておく。
ディスカッション
コメント一覧
佐藤和浩
これって、地底湖がどこか外の海にでもつながっていて、ひょっこり記憶喪失の本人が現れたりしないかなと思ってるんですけどね。
植竹孝幸
自分もフロリダで200m級のケイブ・ダイブをした時ですが、水に入る前に4時間ぐらいの講習があった事を思い出しました。そこのケイブは安全のため100mぐらいに
地上から空気を入れているチェンバーがありました。
門間理良
佐藤先輩
ドラマならそういう展開もありかな、ですよね。
でも現実は厳しいです。
植竹さん
おそらくそういう洞窟はケイブダイビング初心者向けの
環境が整った洞窟ということになると思います。
環境が整っている(条件が良い)というのは、たとえば、
1)複数のインストラクターが洞内地形を熟知している、
2)途中のルートにチェンバー(息継ぎのできる空間)がある、
3)洞内地形が迷いにくい、
4)水底の泥が少なく、フィンで蹴るときに
泥が巻き上がって視界が悪くなるという事態になりにくい、
5)洞内に突起が少なく(あるいは広く)、ダイビング機材を傷つけにくい、
です。
私はケイブダイビングをやる気はなかったなあ。
やっぱり怖いもん。