第55話:「〆切は、忘れたころにやって来る」

門間理良の黒帯への階段

それは5月22日夜のこと。

その晩、私は安全保障の研究会メンバーが集まっての打ち合わせを兼ねた飲み会に参加していた。

楽しく泡盛を飲んでいると、私の師匠格が、

「ところで、あの本の原稿、どこまで進んでる?」

と突然振ってくるではないか。

(え?! すっかり忘れていた 😮  やばい…)

と思いつつも、「今書いてます」

などと、蕎麦屋の出前みたいな返事をしてしまった。

長年付き合ってくれている人だから、この絶妙の返答に

「こいつはまだだな 😕 …」

と察してくれたに違いない。これであと1か月は稼げるはずだ 😀

だが、さらにその宴席で追い打ちをかけるかのごとく、
もう1本、ある安全保障関係の報告書に提出する論文も書いていないことが判明! 〆切は1週間後である。

これは、その場で担当者に交渉して締切をさらに1週間延長してもらった 😀

さらに〆切が半年過ぎている論文と、2日後に迫った論文を計2本抱えていた(これは覚えていた)ので、
つごう4本もの論文を書かねばならない悲劇が私を襲うこととなった。

大学や大学院での講義も毎週あるので、そのレジュメも作らねばならない。
もちろん本務もある。

そして本日、ようやく2本を出し終えたが、まだあと2本残っている…。

そんなこんなで、仕事もいいかげん嫌になっているので、
ある女の子に「一緒にパリへ逃亡しよう」とメールを打ったら、

「あら、パリ! 連れてってくれるんですか!?(笑)
実現できそうなのは台湾ですかね?(笑)
とりあえず、飲みに行きたいですねー」

と軽くいなされてしまった。

(笑)が先行しているうちは「脈なし」である。

「とりあえず飲みにいく」ために、そして研究者としての自分の信用を守るために今晩も徹夜かなー?