平安孝行「地方からの挑戦」(後編)

191

──:最近では同じクラスの末廣君がRISE(キック)という他の格闘技に参加していて、逆にこのあいだの体力別では柔術や修斗を専門にするパラエストラ松戸の選手が空道に参加してこられましたよね。そのあたりをどう感じていますか?

平安:大道塾も、10年前はすごい勢いだったじゃないですか。長田支部長とか、加藤先輩や飯村先輩、小川先輩が出ていた頃って。違うルールだけど外に出てって自分の力を証明するというか、大道塾の力を証明して、結構盛り上がったと思うんですけど、今、みんな結構出て行かないじゃないですか。で、箱の中で大道塾だけでやってるみたいな感じになってて、それが今、大道塾に勢いがなく感じられてる理由じゃないかと思うんです。「大道塾?なにそれ」みたいな感じじゃないですか。それがはがゆいっていうか。そんなときに末廣君が出て行って、僕はすごく勇気のあることだと思うし、大道塾にとってすごくいいことだと思いました。

──:そうですね。末廣君の試合は僕も観戦したけど、技術レベルはキック選手と比較してもダントツで、道場にとって良い効果があったと思います。
それとこのあいだの大会に出てくれた松戸勢には、僕は個人的にはすごく感謝してるんですよ。鶴屋さんは以前には常連だったけど、他にも二人強い仲間を連れてきてくれました。
今の空道ルールって、他流派にはやりにくいものでしょ?面つけるのもやりにくいし。キックとMMAは違うといっても両方素面だしね。こうやって他流派の強豪が出てくれることで相対的にうちの選手の評価がなされるでしょう?先方にどういうメリットがあったのかは分からないけど。
平安君が直接に闘ったのは扇久保選手でしたよね。結構押されたって評が強くあるんだけど、ご当人としてはどんな感じだった?

平安:プロシューターの人はテイクダウンがものすごく強いって聞いとったんで、組んだら倒されるだろうなっていうのは予想してたんですけど、下になるのは僕も得意なんで、マウントも横四方も取らせなかったと思います。僕としては再延長までやって、再延長で一気に出ようかなって作戦だったんですけど。寝技では一瞬抜かれてもすぐ戻して、休みながらスタミナを温存する作戦でした。

──:その作戦はうまくいきましたか?

平安:作戦通りに進みました。パンチで脳を揺らし続けてて、寝技は柔術だったら別に僕も取られることはまずないから、力は使わず寝技はとにかく休んでいこう、と。向こうは空道ルールのことを知らないから、すごく疲れるんですよ、空道ルールは。スーパーセーフ付けてて、寝技で30秒経ったら立たなきゃいけないのが。そういうのは作戦通りで、寝技もとにかく休みながら息を整えて、パスで抜かれたらすぐ戻して、下からちょっとずつでもとって、と。
僕、東北本部でよくいじめられてたんです。佐藤繁樹先輩とかに。それで脳が揺れたらどういう状態なのかだいたい分かるんですよ。揺れやすい角度からちょこちょこ打ってけば、再延長までにはダメージたまってくるだろうなと分かってたんです。全部うまい具合にいって、延長で決まったってのは意外だったんですけど、再延長だったらもっと完全な形で決めれたんじゃないかと思っています。

──:あれは空道ルールに精通している者の決着の付け方なんだということね。僕らはそこまで気がついてなくて、見ていて結構攻められているというか平安君が自分からはガーッとは行かないんで、やばい感じなのかなと思っていたんだけど。そこまでちゃんと戦略を持って、というか自分の中で確信を持って試合を進めていたというのは初めて聞いた話ですよ。じゃあ、気持ちとしては途中でも弱気になったりはしなかったんですね。

平安:問題ないですね。とにかく寝技が終わるたんびに一回こう、「んん?どした?」って確認をしたりして。そういうのでとにかく相手の心拍数を上げよう上げようってやってました。途中、体調悪かったのもあって、試合中に面の中で吐いたりとかしてたんですけど・・

──:面に吐いたのはほんとだったの?扇久保戦で?

平安:あまり体調が良くなかったんで。でも疲れとかあってとにかく休もう休もうとしたのは、逆によかったですね。弱気になったら勝負しようと思っちゃうんですけど、それはなかったし。そのおかげで寝技でも一気に攻めにはいきませんでした。

──:僕らが心配してるほどではなかったんだね。でも次は、向こうもルールについて理解を深めて調整してきますよね?3人とも強かったからねえ。他の二人の試合は見ましたか?

平安:見てました。

──:彼らと闘う他の塾生にアドバイスするとしたら、どんなことかありますか。

平安:普通のことですよ。やっぱり寝技を知らないんじゃ意味がないし、打撃もいろんな種類の、いろんな競技の打撃があると思うんですけど、そういうのも分かっておかないといけない。柔術だと知らない技だと決まっちゃうじゃないですか。それと一緒で一応全部学ぶべきではないかなと思います。

──:柔術に関しては、技ごとに反撃の技術があるから、それを知らないと30秒をしのげないよね。それだけの柔術のレベルが必要で、あとは打撃で圧倒できなきゃいけないと。では打撃はどんなレベルだった?扇久保選手は極真経験者だって聞いてますが。

平安:びっくりしたのは、蹴りのカウンターとか合わせて来られたことです。「おーっ」となりました。

──:ガードは高くなくてキック系の構えではなかったけど、きちんと顔面パンチに対応していた。松戸にはいろいろなルールを研究してる人が多いみたいだから、それなりにチームとして戦略を合わせてきてるのかもしれないですね。でもまだうちのルールだったら大丈夫な感じかな?

平安:そうですね。他人のことなんで、あまり僕は言えないですけど、マウントを取られても戻すことは、出来なきゃいけないかなとは思いました。

──:ちなみに君だったら、マウントに乗られたらどういう形で戻しましたか?

平安:シザースかな。シザースでかえるとは思いました。

──:TKで?でも相手だってTK知ってるでしょ?それでもちゃんと戻る?

平安:戻ると思います。

──:そうですか。えびとかは?

平安:はい。まあえびでも。えびは疲れるんですけど。

──:ああ、疲れるね。そうか、空道の試合はそこまで考えなきゃいけないんだ。確かにTKは疲れないな。

平安:まあプロシューターの人とも話すんですけど、やっぱり30秒でガードからパスは出来ないですよ。30秒ではなかなか難しい。

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──:次に、パンクラス参戦について伺います。あそこも昔ほどプロっぽくなくなってきてるじゃないですか。全国の総合系のいろんな流派から出てきてるから、うちにとっても出やすい状態じゃないかと思うんです。平安君の場合は、パンクラスに出たいと思ったきっかけは、どういうものですか?

平安:時間あいたら今年中には出たいな、と2年くらい前から思ってたんです。

──:なるほど、世界大会の日程と自分の年齢があるからな。その希望は、塾長には話したの?

平安:今回は出たいんですということで、話は通しました。昔から先生の方からも、「出たいなら出ていい」と言われてたんです。

──:パンクラスに今回出ることの意味っていうのはどうですか。どうしてパンクラスを選んだの?他にもいくつか舞台はあるじゃない。

平安:パンクラスを選んだのは、関西の大会が10月の最初だからです。11月に北斗旗の無差別があるので。

──:そっちも連続で出るんだ。偉いねえ。

平安:はい。やっぱり時間的に余裕があるので10月だったら一番出やすいかなと思って。しかも大阪だし、出やすいかなと。
パンクラス出るのは大道塾のアピールと、「大道塾のために」っていうのはないんですけど、それでも僕は「大道塾知らない」って言われるのは悲しい。だから、大道塾の宣伝です。僕が大道塾じゃなかったら流派の宣伝なんてしたいと思わないでしょうけど。

──:以前山崎選手がパンクラス出たことがあって(1999年9月)、あの時僕も見に行ったんですけど、僕の素直な感想を言っちゃうと危機感を持ったんですよ。山崎選手は大道塾に入門する前、西さんの慧舟会が主宰したジャケットマッチとかに出てて、菊田選手や村上一成、イーゲン井上選手、郷野聡寛選手ら錚々たるメンバーとトーナメントで競ってましたよね。だから、パンクラスもしくは総合とか出てる選手とやっても、山崎選手はそう簡単には押されないと思ってたと思うんですよ。ところがパンクラスのそのときの戦いは裸で、しかも拳でなく掌底でというルールだったんで、全然勝手が違った。空道から面をはずしたただけというのとはかなり違うルールで、しかもそれについては他の選手は数年間の試合を積んできているので、体力的にも技術的にもかなりで差がついていた。僕らは総合系に挑戦するとしたら五分にやれるのは山崎選手だけだろうと思っていたので、窪田選手に掌底がまったくきかなくて、しかもタックルでほとんどテイクダウンされたのには、本当にショックを受けました。
山崎選手が空道に専念していた三年ほどのブランクで、パンクラスをずっとやってきた人たちはそのルールの中で進歩したんですね。それをふまえても今回はさらに自信があって出るんだと思うんだけど。そこはどうですか?こういった歴史を知っていてもらわないと、今回の平安君の挑戦の意味が分からなくなるよね。

平安:そうですね。そりゃあ絶対的な自信があるかっていうとそれは・・・

──:試合だからね。勝敗の結論は分からないんだけど、どんなレベルで総合の選手が打撃や寝技をやっているのかを知っているというのは挑戦の最低限の条件みたいなもんだから。平安君はそれをどう評価しているのかを教えてもらえますか?

平安:僕の仲良いプロシューターの人たちからは、ゴーサインは一応出してもらってはいます。(パラエストラ広島の)富樫(健一郎)さんとか組み技だったら(広島のトランクケイラス=TKの)岡田(剛史)さんとかかなり上に行ってる人に。藤田善弘先生とか柔術の全日本チャンピオンとかとも稽古をやってて。

──:そっちでもどの程度行けるか確認してもらったの?

平安:はい。北斗旗と一緒で、勝てるかどうかは当日までずっとせめぎ合いですけど。だから自信があるかというのは・・

──:個別の試合の結果については、それはねえ。どの試合でもそうだと思うけど。

平安:自信があるとかっていうのはないんですけど、それでもレベルはだいたい分かってるんで。

──:それを聞いて安心しました。以前、修斗のルールで総合の対戦して、修斗の選手だったら常識としてやりとりしている技術、細かいことあるじゃない?グローブ掴んだりとか、あの手のことを簡単にやられてたりして。ああいったことは柔術の技術と同じで知っているかどうかだから、直前の情報収集が常識としてちゃんとできているかどうかの問題でしょ?パラエストラ松戸の選手はうちに出てくる時に本部に出稽古に来られたそうだし、最低限のことはちゃんと稽古してきてくれたんだから、こっちも最低限のことをやってないと向こうにも失礼だよね。それをやってくれてるんだったら、僕はもう心強いです。

平安:実は僕、バーリトゥードみたいなことはもう10何戦くらいやってるんで。

──:へぇ?、知らなかった。それはどこで?

平安:(「東」ではなく)○先生の○○会とかで(笑)。長崎の。

村上智明支部長:事前には知らなかったよお。後から聞いたんだよなあ。

──:それはせめて後では言わないと(笑)。

村上:前は外にばかり目が向いてるし、どうしたもんかと思ってたんですけど、こいつが大道塾の看板しょって戦うっちゅう気持ちがあるんで、出来る限り応援しようっていう気持には今はなってます。今回のパンクラスもその延長で。塾長にも認めていただいてるんで。いろいろドタバタはあるんですけど、ドタバタはあった方がおもしろいから。

──:今年は1月29日に「第一回中国修斗グラップリングトーナメント」広島県立総合体育館、藤田流柔術所属として参戦、ライト級12名中第三位)っていう寝技戦に出ているんだね。じゃあ、ちなみに、そのバーリトゥードー戦なんかは、どんな感じだったの?

平安:あ、結果から言うとですか?

──:内容と反省点と含めると。

平安:全局面打撃で、とにかく…

──:へえ、打撃で圧倒しようとしたの?

平安:はい。寝技の練習はやってたんですけど、やっぱり全局面で全て打撃で…

──:殴っていったと?寝技で殴ってて怪我はなかったんですか?

平安:怪我はなかったです。

──:ちゃんとナックルで殴ったの?

平安:はい。三年前に、ウェルター級の新人王の佐々木君っていうプロシューターの人と戦って、判定では1回負けてますね。

──:なるほど。寝技で殴るのは大道塾では一応反則となってますけど、最近は総合の選手はガードの体勢からミット打ちとかしてますよね。そういうのも練習はしているの?それは特段関係ないんですか?

平安:今はプロシューターの人と一緒にやってるんですけど、昔はやってなかったですね。ぶっつけ本番で。昔はシューターとかの人とか、あまり知り合いにいなくて、一番ひどかったのは広島に戻ってきた時だったんですけど、どんどん輪を広げていって、練習はかなり充実してきましたから。今はやってます。

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──:そういえば全国合宿についてのアンケートでも、平安君だけは「せっかく全国から集まってるのに、知ってることやってもしようがない」って意味のことを書いておられたよね。東京でしか分からないことを知らせて欲しいって。最初の話に戻るかもしれないけど、そういう意識は持ち続けているんですね。

平安:はい。今は格闘技やるのが辛くて自律神経失調症になってるんですけど、でも、一回決めた以上、努力だけはせんと…。
最近は、みんなに言ってるんですけど、僕が寮生の時においちゃんが亡くなってるんですけど、おいちゃんが最後に、格闘技の雑誌を見せて「俺がこういう選手になるけん」って言ったら、「仕事をきっちりして、親に迷惑かけずに、なおかつそこまでやるっていうんだったら、そうしろ。男だったら、そこまでいけれんでも、そこまでいく努力はしろ」と言ってくれて。
絶対、途中で諦めるなって。おいちゃんとの約束っていうか、途中で辞めたら申し訳にないじゃないですか?あの世で会う時に…そういうのが、あるっちゃー、ある。

──:なるほどねえ。そんなことがあったの。

平安:村上先輩を見てください。髪が真っ白です(笑)。4、5年ぐらい前の練習の時のビデオを観たんですけど、先輩、すんごい若いんですよ。顔が可愛らしくて、こう…髪が真っ黒で…

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──:君のせいで白くなったの?

平安:たぶん僕のせいなんですよ。迷惑かけて…あの…練習中もあの…(笑)…練習中にこう窓から人が見とったりしたら、「おまえ何見とんじゃーーー!!!」って言って、駆け寄って行ったり、しとったりしたんですね。(笑)

──:なんで?

平安:見てたのが許せなかったんで…

──:なんで許せないの(笑)?

平安:いや、人が頑張って汗流してるのに、にやにやしながら馬鹿にして…

──:あーふざけた感じで見てるんだ!

平安:はい・・・隣の公園から・・

──:で、試合の時は何で乱闘になったの?

平安:吉濱さんて、今年ベスト4かなんかで注目を集めた人がいるんですけど、その人とやって、その時あばら折られたんですね。ブレーク入っても、ちょこん、ちょこんっと、やらしい事してきてて。僕はどんどん腹が立ってですね、かつ技あり有効を取られて、このままでは負けるって…、それで場外ぎりぎりのところでに2人でバーと、からまって行って。3分が終わって審判が大道塾だと割って入るじゃないですか?「はい、終わり」ってやるじゃないですか? それが聞こえなくて、そのまま、ガーーーと寝技に突入して…

──:となると必ずしも当人は乱闘とは思ってないんだ。

平安:少年部を下敷きにして、ガーーーっていう・・

──:ありゃー。少年部を下敷きにしちゃったんだ。試合後の乱闘って聞いてたけど。

平安:いや試合中の話ですね。

──:それで半年とか試合禁止になったと。

平安:あ、はい。いや、でも、僕からしたら、あれくらいはありなんですけど。周りから見たら、それは明らかに場外で…

村上:明らかに場外で、あーいう形でやったら…少年部も巻き込んでるからな。人間が出来てないって事だよなぁ。

──:そういうことだったんだ。

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──:じゃ、ちょっと、そろそろ最後で、今後どんなふうに武道の人生を進めていくつもりですか?

平安:心が弱いんで、やっぱ。技術はずーと年取っても伸ばしていきたいんですけど、とにかく、こう物事に動じない心をやっぱ得たいですよね。毎回、上がりようがすごいんです。

──:じゃあー、せっかくだから世界大会について聞きましょう。

平安:世界大会ですか?緊張で…

──:前の晩に吐いたって言ってたじゃない。

平安:みんなに言われるんですけど、「全部交わせたんじゃないか」とか…。スパーではね、いつもやってるメンバーでのスパーでは全部避けれるんですけど、なんか、やっぱ心が弱いんで、ダーーーって試合にいっちゃうんですよね。

──:なんかねー、単純に見えるけどねー、外人のパンチは。

平安:はい。うちの先輩とかは油断しとったとか、言いますけど。

村上支部長:ガチガチだった?

平安:んー、ガチガチですね…絶対僕は優勝するんだと思ってて、絶対優勝してやるんだって、それでガチガチに。一回戦は何やっとるんかわからんかった(笑)。

──:もうちょっと余裕が持てればいいなーって?

平安:余裕を持ちたいですね。日常生活でもそうですね。ちょっとしたことで結構精神的にダメージを負うので、それをなくせたら・・・。

──:体調そのものは、どんな感じなんですか?こんだけの量の練習をやってて。

平安:だるいですね。

──:コンディショニングっていうのはね、選手はやっぱりなかなか上手くいかないところあるじゃないですか?最後の1週間どうやって抜くかっていうのが、それも精神的な面にもよるんでしょうけど。ウチのWARSにも出てくれた郷野聡寛選手、いまプライドに出てるでしょ。昨日だったかな、1週間以上前なのに「本日をもって稽古を終わりします。明日から抜きます」って、書いてあったよ。10日くらい前かなあ。

平安:んーそうですね、いまだに抜く時もあれば、抜かない時もあって、いまだにこう研究中なんですよね。ちょっと前までは、日曜日に試合があるとしたら水曜日までは、やってたんですけど、最近は1週間余裕をもって勇気をもってあけてみたりもしたんですけど。

──:なるほどね。ま、人によって違うだろうからね。前の日、徹夜で道場設営とかやってる藤松みたいに世界大会で優勝するやつもいるからね。

平安:そうですね。

──:一人一人、調子も違うだろうから。…じゃ今回は、一応、万全の体勢で臨むと。パンクラスに。

平安:はい。臨みます。

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──:それじゃ最後に、空道に限って言うと意識する選手はいますか?コイツよく練習してるな、とか、そのうち一緒に稽古してみたいなーとか、大会で当たりたいなーとか。

平安:そうですねえ。渡辺和暁先輩とか・・

──:世界大会で名前を上げたね。シチューニンに勝って。

平安:先輩ですねー、センスがすごく良くて、僕が総本部にいた時に大道塾入ってきた人で、センスすごい、いいんですよ。センスはいいんですけど、あの頭もいいし、あー・・ 伊賀(泰四郎)先輩もすごいですよね。

──:彼、投げもセンスいいよねえ。

平安:はい。あとは打撃が昔、本当に下手だったんですけど、瞬発力っていうか、センスすごい人だなーって思ってたんですけど、去年の合宿でやってたんですけど、打撃が内から内から細かくきて、それが、すごく重くて僕、負けちゃったんですよ。負けたっていうか自分で、これ押されたなっていう、これは負けたなって思って、打撃も今すごく上手くなってると思いますね。

──:まだまだ伸びてる?

平安:はい。それとやっぱり高橋腕先輩がすごいですね。

──:なるほど。他の階級では気になる選手はいますか?

平安:寺本先輩!!やりたいっす試合!

──:やりたい?!あんな野蛮な人と?

平安:はい。スパーでダウン取られたんで。寺本先輩は、ずーと僕が高校生の時から「この人すーごい迫力あるなー」と思って、ずっと見とって、高校生の時から全然力が違うのに、よー声かけてくれたりして、結構影響受けてるとこはあるんです。それで試合してみたいなと。まだ認めてくれてないと思うんで、ちょっと試合でやってみたいなーって思いますね。

──:彼なかなか自分より小さい奴とは、そんなに印象に残る試合してないよね(笑)

平安:自分「下の階級に興味ねー」とか言われたけん、ちょっとやりたいですよね。変な意味じゃなくて。

──:藤松選手はやったら、どうなると思う?

平安:スパーでやりました。ジャブが見えない、っていうか、突きがぜんぜん分からないです。リードの…左から打ってみたり、下からポーンと当ててみたり、あれが、ぜんぜん分からなかったです。

──:根本的に技術が違う?

平安:あーはい、そうですね。あれは、すごいなーと思って。

──:拳の技術って事かしら?グローブじゃないって事でしょ?全然そういうんじゃない?

平安:殺気を消してる感じがするんですよね。寺本先輩は出してるんですよ。それで僕が最後、恐くて萎縮したときにガツン!ってもらって、ダウン取られたんですけど、それとは別でくるのは当たってる分かる感じで。

──:なるほど。格闘技全体を見渡して気になる選手っている?ボクシングでも何でも。

平安:関心のある選手…僕、郷野選手がが好きなんですよ。

──:彼、面白いよね?頭いいなーって思うもん。

平安:はい。打撃も綺麗だし、昨日(ケガール・ムサシ戦)みたいに、すごいなーと思って。

──:この前もキューバの柔道選手を試合前に挑発するの見て笑っちゃったよ。わけのわかんないダンスやってさー。

平安:今回もっとすごかったですよ。

──:本当に?できないよ試合前にあれは。だって勝たない限り何を言われるか分からないでしょ?いくら戦略っていったって、試合前にあんなふざけた踊りやるって。技術的にはどこに関心があるの?

平安:やっぱりボクシングテクニックがすごいです。

──:では長々インタビュー伺わせていただきましたけれども、村上先生にも、ちょっと。先生、最近、中部四国本部は、どんな感じですか。

村上支部長:押忍。相変わらずで、あの頑張っております。

──:今、何人くらいですか?
村上支部長:今、登録してるのは30人とかなんですけども、練習出てきてるのは毎回6、7名くらいで、やってますね。

──:今回の平安君について、どんなご感想を?

村上支部長:北斗旗大会が終わってから出稽古が多くて、なかなか練習が見れない感じで、どういう仕上がりになっているのかなーっていうのは、あったんですけど。昨日やっと見られて。調子があまりよろしくなかったみたいなんだけれども、スピードとか技術的なものは上がってるっていうことで。基本的に私は昔の人間なもので、技術的なものはないんでパワーみたいなものは付けて欲しいというのはあるんです。はい。

──:ウエイトでいうとどんな風に?

平安:ええ、パワーは大事だと思うんですけど、村上先輩はハイクリーンを勧めてくれるんですけど、なかなか時間がなくって出来てないんですけど。

──:長田先生だね、最初にハイクリーンがいいって仰ったのは。ロシアのボクシング選手はみんなハイクリーンやってるって。

村上支部長:大道塾でハイクリーン始めたのは私の方が早いの。

──:あ!先生の方が早い?!

村上支部長:んー僕の方が早いの。重量上げ部でしたから。

──:あーそうなんだ!そうですか!

村上支部長:ハイクリーン、スナッチ、ジャーク…

──:そうなんですか。いや、僕は、あまり走るのが好きじゃないのでハイクリーンやったら、スタミナもつくし、いいなーって。

村上支部長:ハイクリーンは、きちんとやれば、疲れが残らないものだからね。ただ、きちっとしたフォームでやらないと腰を痛めちゃう。だから、僕が見てる時にやってくれと言ってある。だいたいフォームはチェックしてるんで。腰で上げると思ったら腰痛めちゃうので足で上げるイメージで上げないとダメですね。足の反動で上げれば、それでいい。

──:なるほどなるほど。村上先生おすすめのパワー系のトレーニングは、他にどんなものがあるのですか?

村上支部長:僕は昔の人間で、腕立てとか、スクワットの数をこなすっていうのが自分の現役時代の練習パターン。自重で数をこなしていると怪我をしにくくなるんじゃないかなーみたいなことを道場生にも勧めておるんだけれども、彼(平安選手)自身には彼自身の練習法があってね。でも、アマレスとかの出稽古してて、そのお話を聞くと自重を使った反復動作っていうのをかなり練習の体系の中に入ってる、そういうのはプラスになってるんじゃないかなと思います。

平安:体操選手みたいな…あれは、すごくいいです。

村上支部長:あれは2ヶ月か、そこらやってれば出来るようになるんだよな。今、休憩の話がありましたけれども、僕の希望としては休息の時に後輩を指導するような形で、そういう形で上手く休息を取ってくれたら有り難いなーって期待してます。でも、なかなかな、現役だしな、余裕もないだろうから。

──:いや、僕らは、あの、やっぱり50になるとですね、硬くなってるので怪我をよくするものですから、インナーマッスル系のストレッチっていうかな、中の方のストレッチをしたい感じがしててですね。ウエイトは機械を動かすので、物動かしてる感じがしますでしょ?それに対して、自重でやるのは自分を動かすので、腕立て伏せの体勢で右手と左足を上げたり、互いにつかんで引っ張ったり、基本的にレスリング的なんですだけど、軽いのを僕らのビジネスマンではやってるんですよ。

村上支部長:いろんな角度で、力がかかるような練習をした方がいいでしょうね。ひっぱり合うのとかあるじゃないですか?あういうのを色んな角度でやるのがいいでしょうね。力のかかる練習をした方がいいでしょう。ウエイトトレーニングで特定方向を鍛えるのも大切な事なんだけれども、もうちょっと、筋肉をいろんな角度でいろんな負荷で使うっていうのは、すごくいいんじゃないかなーって。

──:でも一番の先生の注文はパワー系なんですか?それともねばりのある筋肉?

村上支部長:乱暴な事を言うけれども、同じ体格だったら、パワーじゃ負けない、国内では。とりあえず世界に出てしまったわけだから、という注文ですよね。それは、出来てないかって言ったら、目標に向かってちゃんと着実に頑張っていると思うんですけどね。だいたい、そればっかりだよな。パワー付けるパワー付ける、ハイクリーン、ハイクリーン…だよな?自分の指導は。

平安:はい・・。

村上先生:ま、でも頑張ってるし、だから同時に体のメンテナンスをしていかなきゃならんから、休息をしろと言って。言ってる側から「練習しろ、練習しろ」と言うから非常に自分自身が矛盾しとるんです。だいたい平安と一緒に車に乗ってる時、そんな話ばっかりだもんな。休息取ってるかー?体、大丈夫かー?とか、練習してるかー?とかみたいな(笑)。

──:なるほど

村上支部長:彼は、どう受け止めているかわからないけれど、端から見て甘やかしてるような感じがあるかもしれない。でもかなり厳しい事を言ってる自覚が多少、私の方はありますね。逆に厳しいこと言われないっていうのは期待されてないって事だろうから、期待してるって事でもあるんですけどね。

平安:そう、で・す・ね。評価はしてくれないけれども、甘やかしてもらってるなーって感じですね。競技の事では僕の実力とか何も認めてもらったことはないけど、その他の事で、すごい甘やかしを受けてます。

──:ちなみに先生の仰るパワーって、初期の大道塾では常識だったんですか?

村上支部長:だから、初期の大道塾っていうか、僕とかの年代だと、やはり数をこなすんだっていうのが非常に強かったですよね。だから、僕、ウエイトトレーニングを勧めるんだけど、一方でウエイトは邪道だみたいな気持ちもあって、自重でしっかり練習するのが大切だよって指導するようになってますね。
あとは、ハイクリーンとかの全身のバネを養成するのが意味があるだろうと。ぎりぎりの瞬発力っていうか。立ち技系でも投げ技系でも要はぎりぎりの瞬発力っていうのは大切だろうから、ハイクリーンとかで養われる培われるものっていうのは重要だと思います。それぐらいかな?…技術はねえ、出稽古とか自分なりに工夫して、やってると思うんで、あとは個人のセンスでいろんなところから吸収してきているものを自分なりに組み立てていくという作業を通じて、平安なりのスタイル、平安なりの極意っていうのがあるはずですから、作っていけばって思います。

──:ま、個別に競技やってるだけだとね、それだけに流れるところってあるから、ちょっとあえて引いて、空道に合わせて全体との関係を見たり、枝葉を切ったり、剪定作業をしなくてはならないね。

平安:はい。

──:剪定しても、切った技術はどこかに収めておくと。

村上支部長:練習で使えない技術とか技とかも、どんどん練習したほうがいいと思うよ。やっぱり体の能力、身体能力になりますからね。たとえば、跳び蹴りっていうのは、普通使わないけれども、あれはバネとかの能力とかなるからね。

──:どうですかね、最近、総合系やキックでも飛び膝使いが出てきたけど、空道は、まだ出てきてないね。

平安:そうですよね。

──:使えるんじゃないの?

村上支部長:ちゃんと跳べないと使えないから、そういうバネを作るのよ。

平安:それはちょっと・・・違うような・・。実は先輩とかに、松原先生にベラベラ喋るなよって言われてたんですけど、技術については。…あの○○○で、こう…膝をポーンとくらってみて失神しかけたんですけど、打撃ってわかんないところから貰ったら、たいてい失神するじゃないですか?

村上支部長:予備動作とフェイントについて、話してるんか?

平安:予備動作がなければないほうがいいんですけど、それ以上に大事なのは、相手をその状態に持っていけるかどうかということで・・。

──:ボクサーってさ、ローもらって異常に効く人っているじゃない?あれ、やっぱり体の重心の置き方の違いじゃないかと思うな。腿に力を入れないでパンチを打つ人だと、ローで腿が切られるみたいになるから。柔道家もね、異常に効くんですよ。ローが。

平安:へぇ、そうなんですか。

──:極真みたいにもらった瞬間に体を下げなきゃいけないのに、逆に上げてるのかな?女性で非力な一号君が、僕の大学の教え子で柔道もやっている奴にローをかましたら、一週間足をひきずってました。ボクサーでもなかなか修正できない人はいます。修正すると今度パンチが打てなくなるから。
まあ、そんなこんなで。本日は平安選手、村上支部長、貴重なお話をありがとうございました。試合、がんばって下さいね。

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(途中から、「お好み焼きビル」に場所を移動して。)

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