平安孝行「地方からの挑戦」(後編)

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──:最近では同じクラスの末廣君がRISE(キック)という他の格闘技に参加していて、逆にこのあいだの体力別では柔術や修斗を専門にするパラエストラ松戸の選手が空道に参加してこられましたよね。そのあたりをどう感じていますか?

平安:大道塾も、10年前はすごい勢いだったじゃないですか。長田支部長とか、加藤先輩や飯村先輩、小川先輩が出ていた頃って。違うルールだけど外に出てって自分の力を証明するというか、大道塾の力を証明して、結構盛り上がったと思うんですけど、今、みんな結構出て行かないじゃないですか。で、箱の中で大道塾だけでやってるみたいな感じになってて、それが今、大道塾に勢いがなく感じられてる理由じゃないかと思うんです。「大道塾?なにそれ」みたいな感じじゃないですか。それがはがゆいっていうか。そんなときに末廣君が出て行って、僕はすごく勇気のあることだと思うし、大道塾にとってすごくいいことだと思いました。

──:そうですね。末廣君の試合は僕も観戦したけど、技術レベルはキック選手と比較してもダントツで、道場にとって良い効果があったと思います。
それとこのあいだの大会に出てくれた松戸勢には、僕は個人的にはすごく感謝してるんですよ。鶴屋さんは以前には常連だったけど、他にも二人強い仲間を連れてきてくれました。
今の空道ルールって、他流派にはやりにくいものでしょ?面つけるのもやりにくいし。キックとMMAは違うといっても両方素面だしね。こうやって他流派の強豪が出てくれることで相対的にうちの選手の評価がなされるでしょう?先方にどういうメリットがあったのかは分からないけど。
平安君が直接に闘ったのは扇久保選手でしたよね。結構押されたって評が強くあるんだけど、ご当人としてはどんな感じだった?

平安:プロシューターの人はテイクダウンがものすごく強いって聞いとったんで、組んだら倒されるだろうなっていうのは予想してたんですけど、下になるのは僕も得意なんで、マウントも横四方も取らせなかったと思います。僕としては再延長までやって、再延長で一気に出ようかなって作戦だったんですけど。寝技では一瞬抜かれてもすぐ戻して、休みながらスタミナを温存する作戦でした。

──:その作戦はうまくいきましたか?

平安:作戦通りに進みました。パンチで脳を揺らし続けてて、寝技は柔術だったら別に僕も取られることはまずないから、力は使わず寝技はとにかく休んでいこう、と。向こうは空道ルールのことを知らないから、すごく疲れるんですよ、空道ルールは。スーパーセーフ付けてて、寝技で30秒経ったら立たなきゃいけないのが。そういうのは作戦通りで、寝技もとにかく休みながら息を整えて、パスで抜かれたらすぐ戻して、下からちょっとずつでもとって、と。
僕、東北本部でよくいじめられてたんです。佐藤繁樹先輩とかに。それで脳が揺れたらどういう状態なのかだいたい分かるんですよ。揺れやすい角度からちょこちょこ打ってけば、再延長までにはダメージたまってくるだろうなと分かってたんです。全部うまい具合にいって、延長で決まったってのは意外だったんですけど、再延長だったらもっと完全な形で決めれたんじゃないかと思っています。

──:あれは空道ルールに精通している者の決着の付け方なんだということね。僕らはそこまで気がついてなくて、見ていて結構攻められているというか平安君が自分からはガーッとは行かないんで、やばい感じなのかなと思っていたんだけど。そこまでちゃんと戦略を持って、というか自分の中で確信を持って試合を進めていたというのは初めて聞いた話ですよ。じゃあ、気持ちとしては途中でも弱気になったりはしなかったんですね。

平安:問題ないですね。とにかく寝技が終わるたんびに一回こう、「んん?どした?」って確認をしたりして。そういうのでとにかく相手の心拍数を上げよう上げようってやってました。途中、体調悪かったのもあって、試合中に面の中で吐いたりとかしてたんですけど・・

──:面に吐いたのはほんとだったの?扇久保戦で?

平安:あまり体調が良くなかったんで。でも疲れとかあってとにかく休もう休もうとしたのは、逆によかったですね。弱気になったら勝負しようと思っちゃうんですけど、それはなかったし。そのおかげで寝技でも一気に攻めにはいきませんでした。

──:僕らが心配してるほどではなかったんだね。でも次は、向こうもルールについて理解を深めて調整してきますよね?3人とも強かったからねえ。他の二人の試合は見ましたか?

平安:見てました。

──:彼らと闘う他の塾生にアドバイスするとしたら、どんなことかありますか。

平安:普通のことですよ。やっぱり寝技を知らないんじゃ意味がないし、打撃もいろんな種類の、いろんな競技の打撃があると思うんですけど、そういうのも分かっておかないといけない。柔術だと知らない技だと決まっちゃうじゃないですか。それと一緒で一応全部学ぶべきではないかなと思います。

──:柔術に関しては、技ごとに反撃の技術があるから、それを知らないと30秒をしのげないよね。それだけの柔術のレベルが必要で、あとは打撃で圧倒できなきゃいけないと。では打撃はどんなレベルだった?扇久保選手は極真経験者だって聞いてますが。

平安:びっくりしたのは、蹴りのカウンターとか合わせて来られたことです。「おーっ」となりました。

──:ガードは高くなくてキック系の構えではなかったけど、きちんと顔面パンチに対応していた。松戸にはいろいろなルールを研究してる人が多いみたいだから、それなりにチームとして戦略を合わせてきてるのかもしれないですね。でもまだうちのルールだったら大丈夫な感じかな?

平安:そうですね。他人のことなんで、あまり僕は言えないですけど、マウントを取られても戻すことは、出来なきゃいけないかなとは思いました。

──:ちなみに君だったら、マウントに乗られたらどういう形で戻しましたか?

平安:シザースかな。シザースでかえるとは思いました。

──:TKで?でも相手だってTK知ってるでしょ?それでもちゃんと戻る?

平安:戻ると思います。

──:そうですか。えびとかは?

平安:はい。まあえびでも。えびは疲れるんですけど。

──:ああ、疲れるね。そうか、空道の試合はそこまで考えなきゃいけないんだ。確かにTKは疲れないな。

平安:まあプロシューターの人とも話すんですけど、やっぱり30秒でガードからパスは出来ないですよ。30秒ではなかなか難しい。

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